その土地は、本当に売れる土地?



「いざという時は、土地を売ろう」と思っている方はたくさんいるものです。


しかしそもそも、その土地は本当に売れる土地でしょうか?


土地自体に価値があることと、それをすぐに現金化できるかどうかは、全く別の問題なのです。

【不動産売却ができなかったケース】

生前から「家以外にも土地があるから、相続税が発生したらその土地を売ってそこから払えばいい」と言っていた父が、亡くなった。

子供たちは一通りの相続を終え、父親の言葉通りに自宅以外の土地を売却しようとしたが、「まずは隣地との測量をしなければ、売ることはできない」ことが判明。

 

そこで早速測量をしようとしたが、隣地が住宅ではなかったこともあり、所有者が誰なのかすぐには判明しなかった。

誰が所有者かわかった後も、タイミングが合わずになかなか本人と連絡が取れない状況が続く。

連絡が取れた後も、相手が多忙であったこともあり早急な対応はしてもらえなかった。

そうこうしているうちに時が過ぎ、相続税の期日を迎えてしまい、延滞税を支払うことになってしまった。

 

 

土地が資産であるのは確かです。

しかしその土地がすぐに売れるかどうかはわかりませんし、その価値もなんとなくで判断したようでは、実際のところあてになりません。

大切なのは、生前からしっかりと準備することです。

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から、10ヶ月です。

余裕があるように思えるかもしれませんが、お通夜やお葬式の手配、財産分与や保険の整理など、亡くなった後にやらなくてはいけないことはたくさんあります。

全てが終わった後にいざ土地の売却をしようとしても、今回のケースのようにスムーズにいかない可能性は小さくありません。

また、隣地の所有者と良好な関係でない場合、測量に必要な「境界確定への立ち合い(確認書への署名捺印)」に協力してもらえないことも考えられます。

 

土地をそのまま相続させるのではなく、売却して現金化させようと考えているのであれば、こうしたケースが発生するリスクを頭に入れておく必要があります。