相続の解説

驚きの事実が発覚

相続は事前準備が大切です、とよくいいますが
以下は事前準備をしておかなかったばかりに、相続手続きに思わぬ時間がかかってしまったという実際にあった話です。

お母さまがなくなり、遺書もなかったので兄弟で遺産分割の話をし、無事にまとまりました。これで穏便に相続の手続きが進むはず、そう思い、不動産の相続登記するために専門家にお母さまの出生から死亡までの戸籍謄本を揃えてもらいました。すると、そこには家族の知らない驚くべき事実がありました。
お母さまがお父さまと結婚するまえに子供を産んでいたことがわかったのです。

ということは、その子供もお母さまの相続人の一人となります。
遺産分割の話も最初から、やり直しです。

その人は今どこに?
謄本の住所を元に行方を捜しましたが、なかなか手がかりがみつかりません。
もう付き合いもない、遠い親戚を探し当て話をきくことが出来ました。
すると、生まれたのは戦後間もない頃。生まれて数週間で亡くなったとのことでした。

【一件落着のはずが・・・】

もう亡くなっているとしたら相続人ではないのだと、ひと安心。

一件落着・・・と思いきや法律ではそうはいかなかったのです。

 

死亡届が出ていないということは、法律上その人はまだ生きているということになるのです。

つまり、相続人の一人ということになり、遺産分割協議に印を貰わなくてはいけないのです。

では すぐに死亡届を出して・・・と思ったのですが、それが出来ないというのです。

死亡届には医師の診断書が必要になります。

 

【死亡診断書がない場合】

死亡診断書がないため、まずは失踪届を出しました。そして失踪届を出してから約半年後、やっと失踪宣告が認められ、法律上亡くなったことになり、相続人ではなくなりました。

 

【事前準備の重要性】

もし、お母さまが生きているうちに お子さんがいたことが確認出来ていたなら、相続手続きにこれほどまでに時間がかからなくて済んだでしょう。

相続対策は事前準備が大切です。

まずは、相続人の確定、相続財産の確定など「明らかにする」ことから始めてみてください。